ラノベ

【ラノベ紹介】WORLD END ECONOMiCA【完結済】

完結済で面白かったラノベを紹介していこうと思います。
今回は「WORLD END ECONOMiCA」です。

作品概要

本作品は2014~2015年に渡って電撃文庫より全3巻で発売されています。著者は「狼と香辛料」で有名な支倉凍砂先生です。

  

「狼と香辛料」の時も中世ファンタジーの世界観でありつつも剣と魔法で戦わず、代わりにペンを握った商人の話でしたが、本作でも同じようなテイストで書かれています。

あらすじ

現代世界よりも少し未来の時代、人類は月面に都市を築く事に成功した。地球から月への移民が増え、月面生まれ月面育ちの人が現れるようになった月面フロンティア開拓時代の話。

月面生まれ月面育ちの主人公ハルは前人未到の地に立つことを夢見て家出をする。夢の実現のためには圧倒的な軍資金が必要であるため、大開拓時代で市場が常に移り変わる「株式市場」に目をつけ、独学でつけた知識を元に戦う事を決意する。

そんなハルが、月面都市の寂れた教会で黒づくめの天才数学少女ハガナと出会った事から運命の歯車は動き始める…。

紹介・感想

という事であらすじより、月という仮想的な市場を舞台とした少年デイトレーダーの話となります。ハガナという数学の天才少女と出会うところから始まり、ハルの株式の知識とハガナの数学の知識を活かしてあれやこれや奮闘するというストーリー展開なのですが、株式に関する知識は一切無くても特に問題なく読めます。(現に筆者は全く無い状態で楽しく読めました)

全く知識は無くても読めますが、キーワードだけ知っているけど具体的な意味は知らないという株式用語がある(投資、空売り、先物取引、インサイダー取引、等々・・・)人は、読んで行くうちに内容を理解できて勉強にもなるかと思います。

また、支倉凍砂先生らしいお金と市場を主軸とした話ですが、ボーイミーツガールモノでもあるので、青春小説としても楽しむ事が出来ました。

全3巻の小説となりますが、この作品は支倉凍砂先生の同人サークル「spicy-tails」にて2011年~2013年にかけて頒布されていたADVゲーム3部作が元となります。丁度時期的に狼と香辛料の最終巻が出た後のタイミングで活動していた様です。

同人といっても、タイトルロゴをプロが作成していたり、キャラの立ち絵やスチル絵もイラストレーターの方が書き下ろしており、OPムービーあり、主題歌をアニメでよく主題歌を歌っている「岸田教団&THE明星ロケッツ」が担当していたりと、商業作品顔負けのガチっぷりです。凄い。

元がゲームであるため1冊の中で起承転結がはっきり書かれてありつつ、読み終わった後すぐに次が読みたくなるような次へのヒキが非常に気になる構成になっています。支倉凍砂先生の終盤の盛り上げ方は本当に読み進める手が止まらなくなるので凄い・・・。

株式なんてよくわからない、という人にも断然オススメ出来る素晴らしい作品でした。むしろそういう人の方が先の展開が推測できないので純粋に楽しめるかもしれません。

但し、元がゲームかつ加筆修正を加えているため、1巻あたりのページ数が凄いことになっています。1巻:793ページ、2巻:659ページ、3巻:800ページという圧倒的ページ数です。軽い辞書レベルなので、是非時間のある時に一気に読んでみて下さい。全巻読了後は映画が終わった後の様な満足感を味わう事が出来ます。

 

余談ですが、2016年から「狼と香辛料」の最終巻後の話となる続刊「狼と香辛料 Spring Log」と、主人公が世代交代した「狼と羊皮紙」がダブルで2019年現在も刊行されています。マグダラで眠れの続刊はいつになるんだろうか。

こちらも変わらぬ面白さですので、最終巻までは読んだけれどこちらはまだ読まれていない方にはオススメいたします。